第8回日本産科婦人科遺伝診療学会学術講演会

会長挨拶

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第8回日本産科婦人科遺伝診療学会学術講演会
会 長 榎本 隆之
(新潟大学大学院医歯学総合研究科 産科婦人科学教室 教授)

 このたび、第8回日本産科婦人科遺伝診療学会学術講演会を新潟大学産科婦人科学教室で担当させていただくことになりました。教室員一同、実りある学会の開催を目指して鋭意準備を進めております。会期は2022年10月29日(土)・30日(日)、会場は朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター(新潟市)でございます。
 産科婦⼈科学領域における遺伝診療の導入は急速に進み、既に臨床現場での実践に面している状況となっています。周産期領域のNIPTをはじめ、生殖領域ではPGT-M、PGT-A、腫瘍領域ではHBOC、Lynch症候群を端緒として、がん遺伝子パネル検査の普及など遺伝診療が急速に普及し、産婦人科医にとって遺伝カウンセリングを含む遺伝診療が不可欠な分野となりました。本学会の役目として、遺伝診療に携わる先生だけでなく、産婦人科の一般臨床に携わる先生方に、日常診療の中で必要となる臨床遺伝の知識を幅広く提供することが重要であると考えております。
 婦人科腫瘍分野では、卵巣がん領域を中心としてPrecision Medicineの実践が進み、疾患感受性遺伝子をターゲットとした遺伝子診断だけでなく、パネル検査による二次的所見の開示など、がん治療に携わる主治医が知っておくべき遺伝の知識が飛躍的に増加しています。 そこで第8回は、「遺伝診療」を流行りで終わらせず、臨床の現場にしっかりと根付かせるために、「サステイナブルな遺伝診療の構築を目指して」をテーマに掲げたいと思います。日常診療での産婦人科医の意識と知識の向上に向けて、遺伝カウンセリングを行う人材育成、ゲノム解析技術などの最新知見も盛り込んで、これからの「遺伝診療」を発展させるために活発な議論をお願いしたいと思っております。
 現状では、新型コロナウイルス感染症も収束の兆しをみせておりますので、本学術講演会も現地開催を希望いたしておりますが、今後の感染状況によってはハイブリッド開催も視野に⼊れてまいります。 多数の皆様方のご参加を教室員ならびに同窓会員一同、心よりお待ち申し上げております。